要旨: 実存小説では、人物が虚無から存在に向かって行くのは存在性行為と見なす。日常の生きるためにの生きる行為に比べて、存在性行為は生存するのを目的としなく、人間の存在、精神を救うことや、精神を解放することを目指すのである。そして、安部公房の独特点というと、それは人間の行為を平凡な生存性行為から存在性行為に変えるという表現を実現したのに違いない。彼の名作『砂の女』の中で、主人公仁木順平の足跡への追跡を通じて、主人公の行方不明の過程が描かれていた。「存在」体験を描くことから見れば、安部公房の作品には、「存在」は道理に合わないことが掲示されているだけでなく、人間と人間、人間と社会の「疎遠」というようなものをもっと理解しやすい方法で釈明していた。このような疎遠の基礎は正に「実存する」の認識に満ちている日本の現実社会である。安部公房は人々が「実存する」の荒唐無稽な原因がこの「疎遠」にあると主張する。安部公房の小説には、「実存する」という出発点の一つに対して、現実の社会と人間の「実存する」の間は疎遠、調和がとれていないという感銘があります。資本主義社会における制度の異化する危機に臨んでいる人間には、極めて同情と関心を持っている。
本文は四つの部分からなっている。第一部分では実存主義を紹介する。第二部分では安部公房の実存主義を紹介する。または欧米の実存主義との関連について分析を行う。第三部分では『砂の女』を、具体的に分析しながら、安部公房の実存主義を討論する。欧米の実存主義小説家と違って、安部は自己の個性を紹介する。第四部分では安部公房の実存主義と作品の歴史的な意義を検討する。欧米の作品と違って、安部は神様を平凡人にして、読者も理解しやすいように、欧米の実存主義作家より直接に荒唐性を表現した。
安部公房の実存主義を分析することは、日本語学習者に日本の実存主義文学をよく理解するのに役立つだけでなく、中国の実存主義文学の発展にも役立つではないかと思われる。
キーワード 『砂の女』 実存主義 戦後文学 生存 自由
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1.実存主義について-1
2.安部公房の実存主義-2
2.1特徴-2
2.2欧米の実存主義との関連-2
3.『砂の女』について-5
3.1原文分析-5
3.2修辞-6
4.歴史的な意義-7
おわりに-8
参考文献-9
謝 辞-10