要旨:『破戒』は島崎藤村の代表作として、７年にわたって完成された処女長編小説であり、発表されてから強烈な反響を引き起こした。部落民出身の小学校の教師は身分のために苦悩に陥って、告白の道に歩んでいたことである。島崎藤村は日本近代文学史上において重要な地位を占める作家にとどまらず、彼の創作活動は、三つの時代に及んだのである。藤村は作品がたくさんあり、代表的な自然主義作家である。
『破戒』をめぐって数多くの研究は社会問題を反映する社会小説であるか、あるいは言うに言われぬ秘密を主人公に託した告白小説であるかをめぐって展開したものである。近年に至って、『破戒』は告白小説であることは日本では定説になった。国内では数多くの研究者が告白性には注意を与えたものの、多くの研究は主人公がどうやって告白の道に歩んだこと、作家と作品との関係をめぐっている研究が著しく乏しいと考えられる。そのため、本論は島崎藤村とその代表作『破戒』の関係を踏まえて、藤村文学の告白特徴を明らかにすることを目的としている。
本論は、最初に告白と告白文学の定義、島崎藤村の「自我告白」意識の形成を明らかにし、次に藤村の実生活が『破戒』に密着している関係を考察して、最後には主人公に感情移入したことを考察してみたい。研究方法としては、比較照合という手段である。島崎藤村の生い立ちと生活感情を踏まえて分析し、小説の主人公瀬川丑松との比較を通じて、告白性の特徴に関して説明してみた。
キーワード：『破戒』、島崎藤村、告白性、生い立ち
目次
要旨
中文摘要
はじめに1
1. 告白と告白文学について1
2. 島崎藤村の「自我告白」意識の形成2
2.1時代背景と部落民問題2
2.2島崎藤村の性格特徴3
2.3キリスト教からの影響4
3. 『破戒』に現れる「自我告白」の表現5
3.1『破戒』のあらすじ5
3.2『破戒』と藤村の実生活の関係5
3.3二人が持っている秘め事7
4. 主人公への感情移入8
4.1強い「生」の意識の告白8
4.2目覚めた者の悲しみ9
おわりに10
参考文献11
謝辞12
