要旨:本論文は太宰治の『人間失格』を研究対象にして、その創作背景、内容などを分析し、『人間失格』と太宰治の緊密な関連性、特に太宰治の性格や心理、人生観を明らかにしようとする。
まず、第一章で『人間失格』内容と創作背景、作者の太宰治を簡単に述べる。第二章で「人間としての失格」を中心に主人公の大庭葉蔵の性格特徴を説明する。また、葉蔵の周りの人が人物像も分析し、主人公と他人の関わりを理解したうえで、葉蔵の性格をより深く考察する。最後、第三章の中で主人公の人生観から太宰治の人生観の形成の原因を分析する。
筆者が『人間失格』の主人公のイメージの分析によって、太宰治の「人間としての資格」とは真実、信頼、純真な資質で、偽り、詐欺、功利が溢れる人々なのではないことがわかった。
キーワード:『人間失格』;太宰治;大庭葉蔵;人生観
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
第一章 太宰治と『人間失格』-2
1.1 太宰治の生涯-2
1.2 自伝風の『人間失格』-3
1.3 太宰治と無頼派-3
第二章 人間としての失格-5
2.1 大庭葉蔵の人間としての失格-5
2.1.1 葉蔵の道化-5
2.1.2 人間不信と人間恐怖-6
2.2 堀木の人間としての失格-7
2.3 葉蔵と関係する女の人物像-7
第三章 『人間失格』から見られた太宰治の「人間資格」-8
3.1 太宰治の絶望意識-8
3.2 太宰治の自滅意識-9
3.3 太宰治の人生観の形成-10
おわりに-12
謝 辞-13
参考文献-14