要旨:中国で落語を紹介する場合、一般的に「日本の单口相声」として紹介される。果たして相声と落語は単に等しいのか。異なる国、異なる文化の中で生まれ育った演芸であるから、落語と相声の上演形式に違いがあるのは当然であろう。座って演じるものと立って演じるものという違いはあるものの、双方とも扇子と手拭いを用いるなど共通する点も少なくない。ともに「笑い」を目的とする話芸であることを考えれば、この両者を同じ種類の演芸として考えても何ら問題はないかもしれない。
本論文では三つの章に分けて論じていく。第一章と第二章では相声と落語について、その概念、歴史、現状と舞台表現の形式などからそれぞれを簡単に紹介する。そして、第三章では相声と落語の共通点と相違点を比較し、その異同について分析する。
本論文では、相声と落語という、中国と日本の庶民的な芸術の代表を研究していくことで、ただ単に多くの人々に相声や落語を紹介したいだけでなく、純粋に中国と日本の伝統演芸というものを知ってほしいと考えている。そして、この論文を通じて一層深く両国国民の相互理解が促進できるよう希望している。また、両者を分析した結果は、中日両国の国民性を分析する上でも役に立つものと思われる。
キーワード:相声;落語;伝統演芸
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
第一章 相声について-2
1.1 相声とは何か-2
1.2相声の歴史-2
1.3相声の現状-4
1.4相声の舞台表現-4
第二章 落語について-6
2.1落語とは何か-6
2.2落語の歴史-6
2.3落語の現状-7
2.4落語の舞台表現-8
第三章 相声と落語の異同と分析-10
3.1相声と落語の異同-10
3.2異同の分析-10
おわりに-12
謝 辞-13
参考文献-14