要旨:現在、日本の女性経営者の活躍ぶりは、新聞、雑誌をはじめ、様々なメディアで紹介されている。本論は、なぜ、女性経営者に期待する声が高まっているのだろうかという質問を巡って、日本の女性経営者の特徴とか日本の女性の起業と経営活動の特徴とかを分析する。
キーワード:日本女性、経営特徴、性差
摘要:现在,日本女性企业家的活跃的现状,以报刊、杂志为主,已经在各媒介上受到关注并传播开了。本论文围绕为什么日本女性经营者会被寄予很高期望这个问题,想通过日本女性经营者的特征、日本女性经营者的创业和经营的特征等方面试着进行分析。
关键词:日本女性;经营特征;性别差异
なぜ、女性経営者に期待する声が高まっているのだろうか。これからまとめておこう。
一つは、人口構造の変化である。本格的な少子高齢社会の到来を控え、将来にわたって、労働の担い手が減少していくことが懸念されている。こうしたなか、これまで十分に能力を発揮する機会の少なかった女性たちに対して、期待があつまっているのだ。
もう一つは産業構造の変化である。産業構造が、製造業などのものづくりを中心としたものから、アイデアや情報感度などが、重視されるサービス業を中心としたものに移行してきたことで、さまざまな価値観をもった多様な担い手が必要とされるようになった。男性とは違った経験や会社とのかかわり方をしてきた女性の視点が求められているのである。
また、企業倒産やリラトラなどのよって不確実が高まるなか、家計ペースでの所得変動リスクへの対応という観点からも論じることはできる。女性が経済的に自立すれば、これまでの男女の固定的な役割分担も変化するに違いない。それによって、男性のライフスタイルの選択肢が広がるかの可能性も秘めているのだ。
ただ、以上だけでは、あえて女性の「経営者」に注目する理由としては十分ではない。女性経営者の経営活動には、業歴を経ると、経営活動の中でも、意思決定のように女性経営者に特有の傾向が残る。勤務キャリアの不足を乗り越えながら、インフォーマルなネットワークや経営者として積み重ねた経験を自身の強みとして経営活動を進めている。それにもかかわらず、一向に新規開業数は増えず、企業の数は減少し続けている。事業所の開設、閉鎖状況を調査した総務省の「事業所・企業統計調査」をもとに開業率と廃業率を算出したところ、開業率は依然として低迷しており、廃業率を下回っている。活力のある経済社会を維持していくためには、新しい企業が数多く生まれてくることが必要である。女性の潜在能力に対する期待は、より多くの起業家が誕生し、存分に力を発揮できる社会を築いていくための起爆剤としての期待でもあるのである。