序論
世界の国々には、いろいろな文化や習慣がある。しかし、中国と一衣帯水の隣邦であり、文化的にも影響があった日本は、世間の認めたような礼儀の国であり、日本人は、礼儀作法を重んじ、文化を重要視するだけではなく、話しの内容と言葉遣いにも気をつけている。
中国人が日本人と接触して印象深いことはいろいろあるが、その中で一番印象深いのはあいさつ時の気配りではないだろうか。一日にお互いに何回もお辞儀をし、出張や祝日などにも必ずお土産を送る。慇懃で、丁寧なあいさつは、日本人の特殊なところで、中国人は、「日本人のあいさつは複雑で、難しい。」と言い、日本人のいろいろなあいさつとその微妙な心理に戸惑い、そして煩わしく思って閉口する。
また、俞彭年は「中国人から見た日本人の言語表現心理」という文章で「日本人はいつも細かいことまで気を使い、神経質だ。」と述べている。どうして中国人にそんな印象を残したのか。
それから、それほど気を配るのは他人に対しての配慮であるだろうか或いは、周りが自分をどう見ているかとたいへん気にするためであろうか。
そこで本稿では日本人の挨拶のなかでいくつかの例をあげてこの問題を分析してみたい。
まず、日本人の会社内部での挨拶について述べ、次に日常での贈答の気配りについて述べ、最後にお辞儀について述べたい。