要 旨:奈良時代から現在まで、畳は千年以上の歴史がある。畳は日本の気候にとても相応しいものである。しかも、日本人にとって欠かさないものになってきた。畳の文化は日本伝統文化の不可欠な一部である。筆者はその中の席順に関する文化に対して深い興味を持っている。
キーワード:畳の;席順;人間関係;集団主義
東洋の文化の多くは印度や中国にその源を持つものであるので、 日本文化が東洋文化の一部である以上、印度や中国の文明と共通面の非常に多い事は申すまでもない。しかし、そういう共通面よりさらに進んで、 日本だけに固有な文化の性質を観察することは極めて興味あり、かつ重要な事である。日本文化に固有なものは日本の自然の美しさ、豊富さ、清らかさから来ているのである。
畳は大和民族の知恵から生まれた日本独自の生活文化である。 日本民族の生活の知恵から生み出した固有のものであり、湿度が高く、天候の変化が激しい日本の風土で、「敷物」として育てられ、伝承されてきた。しかも畳は日本独自のもので日本文化の象徴ともいえると考える。
畳は千年の歴史を越えて、畳に座っているとき、その席順に一定の決まりがある。その決まりから日本社会の人間関係をある程度観察できると思う。
拙稿は畳文化を了解しながら、畳の席順から日本の人間関係を探ろうと思って、両者の繋がりを研究したいと思う。