要旨:1990年代に入ってからは、友好のムードの中で推し進めていた中日関係は歴史問題、靖国神社参拝、領土問題などの問題が浮上し、たびたび難航に陥ってしまう。本論文は1994年6月から1996年1月まで首相となった村山富市を研究対象として、その対中国政策及びその間の中日関係を考察してみた。1995年、第二次世界大戦終戦50周年記念にあたって、歴史認識をめぐって、村山は中国をはじめとするアジアの国々に対する日本の植民地支配と侵略について、反省と謝罪を明確にする談話を発表した。また、首相在任中、慰安婦を対象とする「女性のためのアジア平和国民基金」が発足された。釣魚島について、「日中両国がそれぞれその領有権を主張する以上、解決するすべがないので、共同で開発すれば問題解決できるじゃないか」との意見を発表した。要は、村山富市は中国に友好的な態度をとり、在任中の中日関係も問題はあったが、おおむね順調で前向き的なものであった。その貢献は称賛すべきだ。
キーワード:村山富市;中日関係;村山談話;釣魚島共同開発
目次
摘要
要旨
初めに-2
1村山富市について-2
1.1村山富市の生涯-2
1.2村山富市の政治主張と外交政策-3
2.1国交回復前までの中日関係-4
2.2国交回復以来村山内閣までの中日関係-5
3.1村山内閣と中日関係-8
3.2歴史問題について-9
3.2.1歴史教科書問題について-9
3.2.2靖国神社参拝問題について-10
3.3领土问题について-10
4終わりに-12
参 考 文 献-13
謝辞-14