要旨
映画『永遠のゼロ』は戦争の起因を説明せず、日本を侵略者ではなく被害者として描写し、特攻隊員の自爆攻撃を勇ましい殉国として謳歌し、絶体絶命の窮地に陥った狂気の逆襲を正当防衛として歪曲し、侵略の罪悪を犠牲の光栄として美化する。この映画は悲劇のマスクをかぶって、団体の罪悪に注目しなく、個人崇拝を高める手段で団体の罪悪を薄めることを目指す。愛のために生きるということを謳歌するようだが、最後、敵の空母へ向けて急降下していく宮部久蔵の『壮挙』を描写し、特攻を美化することになった。
キーワード: 映画『永遠のゼロ』、零式艦上戦闘機、神風特別攻撃隊、被害者意識
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
1.1先行研究-1
1.2研究目的と意義-2
2. 零戦と特攻-3
2.1零戦-3
2.2神風特攻隊-4
3.曖昧な反戦-5
3.1零戦への賛美-5
3.2曖昧な戦争観-6
4.美化された罪悪-7
4.1感情の面から-7
4.2価値観の面から-8
5.おわりに-9
5.1結論-9
5.2今後の課題-9
6. 参考文献