要 旨:古から今に至るまで芸術創作で、女性が表現対象にとすることは大昔の時代に遡ることができる。そして、本論は中国唐の時代周昉の代表作品『簪花仕女図』と日本平安国風文化の時代、源氏物語を題材にした絵巻物『源氏物語絵巻』を研究対象として、人物イメージや表現手法などから9世紀から11世紀までの中日両国の宮廷女性イメージの相違点を明らかにする。本論は以下の三つの方面から論じてみる。
まずは中国仕女図と日本大和絵の中の女性イメージの変遷、この二つの絵の歴史背景と芸術の成果を総括する。次に『簪花仕女図』と『源氏物語絵巻』の視覚特徴、審美イメージと美学意識における女性イメージを比較する。最後には『簪花仕女図』と『源氏物語絵巻』の審美イメージと社会的価値観念の思想根源を探る。
特定の時代の芸術作品として、時代の社会風土と主流観念を反映し、時代の発展に伴い、古代文化の交流を再発見することは今後の中日異文化交流に重要な意味があり、中日両国の芸術文化を受け継ぎ、将来の交流で小異を残して大同に就き、お互いに尊重しあい、理解しあうことを願っている。
キーワード:仕女図 大和絵 簪花仕女図 源氏物語絵巻 女性イメージ
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2.先行研究-1
3.『簪花仕女図』と『源氏物語絵巻』の芸術の成果の総括-2
3.1唯一無二の絵——『簪花仕女図』-2
3.2典型的な絵巻——『源氏物語絵巻』-6
4.『簪花仕女図』と『源氏物語絵巻』の女性イメージの比較-9
4.1視覚効果の比較-9
4.2審美イメージと美学境界の比較-15
5.中日審美傾向の異同の思想根源-16
6.終わりに-19
謝 辞-20
参考文献-21