中日同形異義語について
要 旨:中日両国の文化交流は歴史が長く、漢字が日本に伝わったあと、中国と日本の情報の伝達手段になっている。漢字文化圏である中日両国では、漢字を長い間使っているので、日本語と中国語における同形語がたくさんある。多くの同形語を使っているにもかかわらず、時間の流れに伴って、一部の同形語の意味も変えてゆく。これはいわゆる「同形異義語」である。これらの同形語は、日本と中国の文化交流に便利をもたらしていながら、他方では、両言語の学習者の学習とか、中日国民の相互理解とか、時に支障をきたすこともある。
本稿は同形異義語、定義、語数、形成原因、分類などのトピックから中日同形異義語を検討し、具体的な用例によって考察する。そして、同形異義語の種類を比較検討し、誤用状況を分析する。また、比較研究を通じて、中日同形異義語の用法と使い方を説明する。両言語の学習者に便利をもたらしているながら、なお、中日両国の文化交流の時よりはっきり伝達などの点からも価値のあるものとなろうと思う。
キーワード:中日同形語 同形同義語 定義 形成原因
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2.中日同形異義語の定義-2
3.中日同形異義語の語数-4
4.中日同形異義語の形成-5
4.1中国語での意味の変化-5
4.2日本語での意味の変化-6
4.3中日とも変化したもの-7
5.中日同形異義語の分類-7
5.1部分構成要素の意味の食い違い-8
5.2全部構成要素の意味の食い違い-11
5.3中日両国語間の語の構成要素間の文法関係の違い-13
6.終わりに-15
謝 辞-16
参考文献-17