中国消費者が日本アニメ産業に対する消費行動の変遷について
要 旨:日本のアニメは、20世紀後半に入ってから特異な発展を遂げた。日本経済を支える柱の一つとして、世界中にも高く評価されていた。日本も世界最大の漫画・アニメ輸出国になった。1980年代末から90年代初め、日本アニメ制品の海賊版は中国で現れた。海賊版は著作権など権利者の利益を不当に損ねたことだが、客観的にも日本アニメ・漫画の中国市場の開拓を加速させた。今では、中国市場の開拓を目指す日本のアニメ、マンガ関連企業・団体が一体となってマンガ・アニメ海賊版の大規模な対策に動き出した。そして、中国市場向けに日本アニメなど正規コンテンツを提供して、正規ルートでの中国市場復帰を果たそうとしている。一方、中国の国民経済の発展に伴い、かつて海贼版に依存してきた中国消費者も、その「愛し方」がひっそりと変化が見られた。
キーワード:日本アニメ 中国消費者 知的財産権 消費方式
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2. 魅力あふれる日本アニメ-2
2.1日本アニメ文化の発展の経緯-2
2.2日本アニメに関する市場の概況-3
2.3日本アニメの海外輸出-4
3. 急拡大する中国アニメ市場の光と影-5
3.1日本アニメで育った世代-5
3.2「海賊版」からの初体験-6
3.3「思わぬ宣伝」から集まる愛好者たち-7
3.4 ファンサブ——愛と渇きから生まれた“徒花”-8
3.5「正しい愛し方」とは?目覚めつつある中国消費者-10
4. 「本物」のアニメ文化を中国で花開かせる-12
5.終わりに-15
参考文献-16