志賀直哉の『網走まで』における「母」の面影に関する一考察
要旨:日本文学といえば、心境小説は見落とされない話題である。心境小説は即ち「調和型私小説」であり、近代以来の日本文学史で最も独特的な体裁とも言える。その色々な特徴が直接に日本民族伝統・文化及び個性に関わっている。志賀直哉は白樺派の代表的な小説家であり、近代「小説の神様」と呼ばれる。
大勢の評論家は志賀直哉文学が「男性中心の文学」と思っているけれども、筆者は志賀の描いた女性はちっとも男性に劣らなく、志賀直哉文学の重要な要素に構成される。志賀が小さいごろ母に死なれるが、亡くなった母は志賀の心に深い印象が残り、たくさんの作品に「母親」が登場した。
小論が日本近代有名な作家志賀直哉の初期作品『網走まで』を中心に分析し、「はじめに」、「先行研究」、「本論」、「おわりに」という四つの部分から構成される。「はじめに」では、本研究の目的と方法を説明する。「先行研究」において、本研究について、国内外で最新的な研究状況を述べる。「本論」では、まず、『網走まで』の創作背景を分析してみる。そして、小説に「女の人」に関する断片を読み取ってみる。さらに、その分析を踏まえて、具体的に「私」が「女の人」に対する感情を検討する。最後に、志賀の生い立ちと当時の社会時代の背景に焦点を絞って、『網走まで』における「母」のイメージを探究する。終わりの部分において、各章の分析をまとめながら、結論を出すと同時に、残った問題点と今後の研究方向を明らかにする。
キーワード: 志賀直哉 『網走まで』 母の面影
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2.先行研究-1
3.志賀直哉と『網走まで』-3
3.1 志賀直哉の生い立ち-3
3.2『網走まで』の創作背景-4
3.3『網走まで』のあらすじ-5
4.『網走まで』の内容について-5
4.1『網走まで』における場面構成-5
4.2『網走まで』における特別な視点-7
5.『網走まで』における母の面影-8
5.1「奇妙な男の子」から-8
5.2「自分」から - 9
6.おわりに-12
謝辞-13
参考文献-14