要旨:中国は漢字の国である。日本語には漢語が非常に重要な役割を果たしている。中国人日本語学習者が日本語の漢語を習得する場合に非漢字圏の国の学習者より易しいと思われる。しかし、中国から伝えられた漢語が日本で使われているうちに、本来の意味が失われてしまった場合もあるし、日本人が自ら作る和製漢語もある。これ以上の原因があるゆえに、中国人学習者にとって、日本語の漢語の習得はあまり簡単なことではあるまい。
近年、中国人日本語学習者が日本語への正・負転移を研究している日本語の教育者は増加しつつある。そのうち、作文あるいは問題群を手段とした研究方法が多いのである。筆者は大学四年生として、日本語を学習する過程で、読書をする時、非常に難しく理解しづらい漢語がある場合、中国語の知識を利用して、漢語の意味を推測できる。さらに、作文する時、口語ではない文語的な文章を書けることを発見した。作文の中で漢語の誤用に関することについて中日両方の研究者がしていて、教育に対して様々な意見を述べた。筆者はその論文を拝読したのち、今回は中国人日本語学習者を対象にして、会話中の漢語の習得を研究していた。インタビュー調査を研究方法として、会話内容を録音したのち、書き取った。録音資料を分析すると、1.学習者は漢語の使用頻度が他の三つの語種より高いと発見した。漢語語彙の級別使用状況も明らかにした。2.会話中、造語、複合名詞の不自然さや語義の間違った理解の誤用が存在していると発見した。
キーワード:中国人日本語学習者 漢語 言語遷移 会話
目次
要旨
中文摘要
1. はじめに-1
2. 先行研究-1
2.1 日本語の語種-1
2.2 漢語とは-2
2.3 漢語の分布と使用率-2
2.4 言語学習について-3
2.4.1 言語の転移現象-3
2.4.2 漢語学習の利点と弊害-3
2.5 漢語の習得に関する研究-4
2.6 先行研究における問題点-5
3. 研究方法-5
3.1 調査対象と調査時間-5
3.2 データ収集-5
4. 調査結果の分析-6
4.1 漢語の使用頻度と語彙レベル-6
4.2 誤用の分析-10
4.2.1 造語-11
4.2.2 複合名詞の不自然さ-11
4.2.3 漢語の語義の間違った理解-12
5. おわりに-12
参考文献:-13