要旨:善悪観は道徳哲学の中で最も基本的な概念である。それは、人と事柄を評価する最も一般的な概念である。具体的には、善悪観というのは人々がある行為や事柄に対して、道徳かどう評価するか、どんな見方があるかということである。善悪観は誰でもの人生の中には特別な地位を占めている。人々の心の中には善悪の基準がある。日本の有名な作家、松本清張は善悪について、特別な見方がある。本論文は『一年半待て』という小説を通じて松本清張の特別な善悪観を研究している。
論文は主に三つの部分からなっている。第一部分は作者松本清張の生涯、主な作品や事績およびこの小説『一年半待て』の主な内容を紹介する。第二部分は小説の人物イメージに着手して、小説の人物のイメージを通じ、人物の善と悪を分析する。ここで善と悪は相対的であり、一人は善と悪を同時に持っている。第三部分は松本清張の家庭背景と生活体験を通じて、松本清張のその特別な善悪観の由来を分析している。
本稿は『一年半待て』という小説を通じて、描かされた人物イメージとその善悪観を分析している。それによって、松本清張の善悪観がわかる。すなわち善悪交替、本質は善であるが、手段は悪であること、彼の何らかの極端な事情に対する深い同情と理解。本稿の分析を通じ、松本清張の特別な善悪観をさらに理解してもらいたい。この分析は、松本清張文学への研究の参考になるといいと思う。
キーウード:『一年半待て』 松本清張 善悪観
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1松本清張の『一年半待て』について-1
1.1松本清張への紹介-1
1.2『一年半待て』について-2
2『一年半待て』の中の善と悪-3
2.1善について-3
2.1.1須村さと子の善-3
2.1.2高森たき子の善-4
2.1.3岡島久男の善-5
2.2悪について-5
2.2.1須村さと子の悪-6
2.2.2須村要吉の悪-7
2.2.3高森たき子の悪-7
2.2.4岡島久男の悪-8
3特別な善悪観の由来-9
3.1家庭背景-9
3.2生活体験-10
おわりに-11
参考文献-12
謝 辞-13