要旨:志賀直哉は日本の白樺派の代表作家であり、日本近代の文壇に「小説の神様」と言われた。志賀直哉の文学創作の中に欠かせないものは自我意識である。彼は自由を求め、個性を尊重し、自我を肯定し、積極的、合理的な個人主義要求で自我を表す。志賀直哉は自分の精神世界で自我を強く求める。彼の小説は心境小説と言われた。つまり、自分の意識を充実的に作品の中に表すことだ。前期の創作は自我意識が強く、自然と他人を対抗したが、後期の創作は前期と比べると、根本的な変化がある。後期は「自我調和」意識があらわし、自我と自然の闘いの中で自我と自然の調和を実現した。つまり、「自我至上」の心理から「自我調和」の心理になった。これを十分に表現することができる二つの作品は『范の犯罪』と『暗夜行路』である。
第一章では創作の背景を紹介する。第二章では『范の犯罪』の男主人公の分析を通じて、この時期志賀直哉の「自我至上」の意識を分析する。第三章では『暗夜行路』を例として、男主人公についての分析で「自我至上」から「自我調和」に変わるという過程を探求する。第四章は自我意識の誕生と変化の原因を具体的に分析する。
本論文は『范の犯罪』と『暗夜行路』についての研究を通じて、志賀直哉の自我意識を理解するとともに、志賀の個人経歴を詳しく調べて、これは今後の志賀直哉の文学研究に対して役に立つと思う。
キーワード:志賀直哉 自我至上 自我調和
目次
要旨
中文摘要
はじめに1
1、創作背景2
1.1 、『范の犯罪』の創作背景2
1.2 、『暗夜行路』の創作背景2
2、『范の犯罪』における志賀直哉の自我至上3
2.1、「本統の生活」を追求する范3
2.2、自我至上の表現3
3、『暗夜行路』における志賀直哉の自我調和4
3.1、自我から調和になった謙作4
3.2、自我調和の表現5
4、自我意識生成と変化の原因5
4.1、自我意識生成の原因5
4.2、自我意識変化の原因5
おわりに6
参考文献 7
謝辞