要旨: 1980年に誕生した無印良品は有名な日本雑貨ブランドである。素材から見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略化する特徴はそれぞれの時代の美意識に合う。無印良品ほどデザインを積極的に活用できているブランドは、日本での例が少ない。
それから、2001年、原研哉氏は無印良品のアートディレクターを担当して、「空」という新たな設計理念を提出した。「空」とは、何もないの意味ではない。何も無いにすべてはおさまっている。つまり単純であり空白であるからこそ、すべての人々の思いを受け入れられる究極の自由性がそこに生まれる。このような設計理念の中で、禅の美学——単純さと平易さを尊重すること、形式を無視すること、本質を追求することなどに感じる。従って、本論は無印良品の設計理念から禅の美を探り出して分析すると考える。
本稿はまず無印良品について簡単に紹介する。無印良品の誕生、発展と現状などを述べてから、「空」という設計理念の意味、由来、分析の理由を説明する。次に、無印良品の色彩、材料、文字、包装という四つの部分の空を通じて、無印良品の禅の美を見る。また、「空」という設計理念の形成原因も究明した。各民族は自分の伝統的な文化がある。美意識は人間の精神文化の重要な部分として、その形成と発展は社会背景に影響され、制限される。無印良品の禅の美を帯びている「空」という設計理念は、日本の自然環境と禅宗思想に影響された。
最後に、無印良品の禅の美学についての内容をまとめると同時に、今後の研究課題も提出した。
キーワード:無印良品 空 禅 自然環境 禅宗思想
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1.無印良品について-1
1.1無印良品の誕生-2
1.2無印良品の発展と現状-2
2.「空」という設計理念-3
2.1空の意味-3
2.2空の由来-3
3.「空」という設計理念から見る禅の美-4
3.1色彩の空から見る禅の美-4
3.2材料の空から見る禅の美-4
3.3文字の空から見る禅の美-5
3.4 包装の空から見る禅の美-5
4.「空」という設計理念の形成の原因-6
4.1自然環境による原因-6
4.2禅宗思想による原因-6
おわりに-7
参考文献-9
謝辞-10