要旨: 禅宗はインド仏教や中国の伝統文化が結合されたもので、儒・道・釈の思想を融合した重大な思想の成果である。禅宗は中国の周辺国に伝わって以来、そこの文化芸術及び審美に深く影響を与えた。特に日本の枯山水庭園がひときわ目立っている。枯山水は白砂と石を素材とし、また独特の手法で重ねて置かれた石セットなどの自然な元素を持ち、ミニ式の庭園景観を構成したものである。抽象手法を徹底的に用いり、池泉庭園とまったく違った性格があらわれた。限られた場所の中で表現力を極限まで高める、枯山水こそ日本らしさを極めた芸術と言える。
本稿では、禅宗と枯山水の繋がりを眼目として、禅宗の起源、流布と日本への伝来を紹介し、日本禅宗の特徴を分析するとともに、 枯山水の起源、発展と成立の過程を探り、枯山水の特徴を述べた。さらに、様式の表現と境地の営造、という二つの点から、禅宗思想が枯山水に与えた影響を具体的論じたのである。
キーワード:枯山水;禅宗;日本;影響
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
第一章 禅宗について-2
1.1禅宗の起源と日本への伝来-2
1.1.1禅宗の起源とその流布-2
1.1.2日本への伝来-3
1.2日本禅宗の特徴-4
第二章 枯山水について-6
2.1枯山水の起源と成立-6
2.1.1枯山水の起源-6
2.1.2枯山水の成立 -7
2.2枯山水の特徴-8
第三章 枯山水に見られる禅宗の影響-9
3.1様式の表現-9
3.1.1石-9
3.1.2白砂-9
3.2境地の営造-11
おわりに-13
謝 辞-14
参考文献-15