要旨: 本論文は序論、本論と結論と三つの部分からなっている。
序論は先行研究を総括し、批判的に継承した。
本論の部分は43人の歌人に対して分類的研究を行った。この43人を筆者は三つのタープに分類している。すなわち、第一タイプは「愛を大声で言う」 情熱派の歌人であって、ほとんど愛情を大事に見なし且つ大胆な歌人であるが、第二タイプの歌人は「愛は心の底に秘める」隠忍派の歌人であって、同時代の愛情観の主流を女子歌人をはじめとして示す歌人である。第三タイプの歌人は前の二類の歌人とも違って、現代の女性の愛情観に近いと言ってもよいほどであるが、同タイプへの研究は、歌人時代の見方の後世への影響を知ることが出来ると思う。
結論の部分は上述の三種類の愛情観の形成原因に関する分析と、同愛情観の後世への影響を検討し。筆者の中核的観点といえば、第一に、その恋愛不自由の時代には、男女ともに依然として恋に落ちているが、その愛情観は知らぬうちに外部環境に影響されて定型したこと、第二に、当時流行した「訪妻婚」が、男性と女性を不平等な地位に置いたこと、である。
キーワード:百人一首;愛情觀;歌人
目次
要旨
中文摘要
はじめに1
第一章 愛はきっと大声で言うこと3
1.1愛を抑えきれない男性歌人3
1.2 愛は一番大切なもの4
1.3 伝えたい恨み5
第二章 愛は心の底に秘めること6
2.1一人で怨むの女性歌人6
2.2時代逆流の愛情観 7
2.3 報われるが追求しないこと8
2.4 隠忍した愛 9
第三章 独特な愛情觀を持っている女子歌人10
3.1 清少納言の愛情観11
3.2和泉式部の愛情観11
おわりに 12
あとがき14
謝辞15
参考文献16