要旨:現在、日本は深刻な少子高齢化に直面している。少子化の最も大きい要因として挙げられるのが結婚しない男女の増加である。そして、未婚化の最大の原因は、若年層における雇用の劣化である。1990年代バブル経済の崩壊後に、若者の雇用環境は大きく変化した。フリーターや派遣などの非正規雇用者が急増し、若年正規雇用者においても収入がなかなか増えない状況が長く続いた。収入の減少は若い男性の結婚意欲を失わせるとともに、結婚後の出産の障害にもなっている。この問題を解決するにはどのようにすればよいだろうか。本論は日本の若年層の雇用劣化という視点から未婚化の原因を分析し、それを解消するにはどのような対策を講じればいいかを論じるものである。
キーワード:若者;雇用劣化;非正規雇用者;未婚化;支援策
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
第一章 日本の未婚化進行の原因-2
1.1恋愛結婚が高めた結婚のハードル-2
1.2若者における結婚・出産の価値観の低下-3
1.3パラサイト・シングル-3
1.4女性の社会進出と仕事と家庭の両立難-4
1.5若者の雇用の変化-4-----
第二章 若者の収入の低下と未婚化-6
2.1雇用劣化の進行-6
2.2非正規雇用の増加と収入の減少-7
2.3非正規労働者の非婚志向-8
2.4収入低下による結婚ハードル上昇-10
第三章 非正規労働者の両立難と支援策-11
3.1非正規雇用者の多様性-11
3.2正規雇用者以上のハードルの高さ-11
3.3雇用支援の拡充-13
おわりに-15
謝辞-16
参考文献-17