要旨:日本では、主婦業と言われるほど主婦がほかの職業と同じく職業だと思われ、「専業主婦」であることに誇りを感じる人が多い。また、「寿退社」という言い方もあり、これは女性が結婚や出産などのめでたいことがあるのに伴って会社を辞めるという意味だ。しかし、昨今では伝統的な家意識の変化と女性の社会・職場進出や雇用機会の多様化、ライフスタイルや価値観の変化などもあり、結婚しても専業主婦の様式はとらず、共働きをする世帯が増えているのも事実である。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という家族形態表面の変容だけではなく、家族内部の成員間の関係性のあり方、つまり夫婦の役割関係と勢力関係にも大きな変化が表れた。
本論では近代、現代における共働き夫婦の家族関係の変化を研究し、今後の夫婦の家族関係の在り方を探求するものである。
キーワード:家族関係;共働き夫婦;役割関係;勢力関係
目次
要旨
中文摘要
はじめに1
第一章近代家族における夫婦関係2
1.1近代家族における夫婦の役割関係2
1.1.1産業化社会と夫婦の性別役割2
1.1.2共働き夫婦における妻の二重役割2
1.1.3共働き夫婦と夫婦関係の平等性3
1.2近代家族における夫婦の勢力関係3
1.2.1最終的な意思決定者と勢力の保有3
1.2.2妻の社会経済的資源の影響4
第二章 現代における共働き夫婦の関係5
2.1共働き夫婦における役割関係5
2.1.1夫の家事参加の低さ5
2.1.2妻の義務としての家事遂行6
2.2共働き夫婦における勢力関係6
2.2.1夫婦で話し合う傾向6
2.2.2妻の経済的資源の勢力への影響7
2.2.3交渉過程に着目した場合の妻の勢力8
第三章 現代における夫婦関係の趨勢9
3.1根強い性別役割分業による従属関係9
3.2役割関係の流動化と平等化の傾向10
おわりに12
謝 辞13
参考文献14