要旨:周知のとおり、『こころ』は夏目漱石の書かれた小説の中に代表性を持つ作品の一つである。主に明治時代のインテリに対する描写を通じて、作者の提出された日本の「明治の精神」を現した。本稿は『こころ』における「明治の精神」を考察しようと思っている。
本論文は主に以下の三つの部分より形成された。第一章では、『こころ』の粗筋、夏目漱石の生涯と作者に提出された「明治の精神」について紹介する。第二章では、『こころ』における叔父の裏切り、Kの自殺、「先生」の自殺という三つの方面から、日本の伝統的な倫理観と自由、独立、自我を求める西欧の近代思想との間の衝突を分析し、夏目漱石の「明治の精神」を明らかにする。第三章では、夏目漱石の人生経歴と『こころ』に設定された時代の背景を考察し、さらに「明治の精神」の形成された原因及び影響を探求する。
「明治の精神」は国権論と民権論という二つの側面を含め、時代の特徴によって変化するので、中性的な言葉である。その形成された原因は、天皇を神格化する思想と西欧の近代思想と筆者の明治時期の経歴という三点が考えられた。進歩的な「明治の精神」は社会の平和と発展に対して役割を果たしながら、変形した「明治の精神」は国民と国を利己主義と軍国主義の道へ辿らせる可能性がある。
本論文の研究によって、さらに漱石の「明治の精神」をよく理解できて、夏目漱石の「明治の精神」の提出された原因及び現代日本人への影響を探求できるようになった。
キーワード:倫理観、近代思想、「明治の精神」、原因、影響
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
第一章 『こころ』と漱石の「明治の精神」-1
1.1『こころ』についての紹介-1
1.2『こころ』における漱石の「明治の精神」とは-2
第二章 『こころ』における三つの方面から見た漱石の「明治の精神」-3
2.1叔父の裏切り-3
2.2Kの自殺-4
2.3「先生」の自殺-6
第三章 漱石の「明治の精神」の形成原因と影響-7
3.1「明治の精神」の形成原因-8
3.2「明治の精神」の影響-8
終わりに-9
参考文献-11
謝 辞-12