要旨:京劇と歌舞伎はともに人類文化の宝庫で、多種類の芸術の集大成だと言われる。本論は《霸王别姬》と『勧進帳』を例に、京劇と歌舞伎の異同と繋がりを分析している。本論は三つの部分からなっている。第一章は簡単に京劇と歌舞伎を紹介し、《霸王别姬》と『勧進帳』にも触れた。第二章は題材、舞台、衣裳、セリフと伴奏の面から、両者の異同を分析した。第三章はほかの作品を研究し、第二章の《霸王别姬》と『勧進帳』の比較から京劇と歌舞伎の異同を分析した。
本研究によって、以下のことが分かった。京劇も歌舞伎も、歴史故事、伝説や文学作品から取材することが多いが、京劇のほうがより多彩なようである。京劇の服装の色が豊富で、デザインが多様であるのに対して、歌舞伎のほうは相対的に質素であろう。京劇の舞台装置は歌舞伎ほど複雑ではない。その他、京劇は伴奏用楽器の種類が多く、セリフが歌いを主としているのに対して、歌舞伎は伴奏楽器の種類が少なく、セリフが唄いを主とする。京劇と歌舞伎は、それぞれ中国と日本の国粋として、似たところもある一方、相違点も数多くある。
キーワード:歌舞伎、京劇、比較、覇王別姫、勧進帳、異同
目次
要旨:
中文摘要
はじめに-1
第一章 《霸王别姬》と『勧進帳』について-1
1.1京劇と《霸王别姬》について-1
1.2歌舞伎と『勧進帳』について-2
第二章 《霸王别姬》と『勧進帳』の比較-2
2.1題材について-2
2.2衣裳と舞台-3
2.3セリフと伴奏-5
第三章 《霸王别姬》と『勧進帳』の比較から見た京劇と歌舞伎の異同-5
3.1共通点-6
3.2相違点-6
終わりに-9
参考文献-10
謝辞-11