要旨:テーブルマナーの歴史は、今から500年ほど前のフランスにさかのぼる。1533年にイタリアの名家・メディチ家のお姫様であるカトリーヌが、フランス王家に嫁いだ。その時彼女に付き添っていたシェフが、フランス宮中の食事作法の拙さに驚き、フォークの使い方などのテーブルマナーを一冊の本にまとめた。このイタリア人シェフが著した『食事作法の50則』が、世界最初のテーブルマナーの指南書であった。
テーブルマナーというのは周りの方に迷惑や不快感を与えることなく、お互いに楽しく食事を召し上がるための基本的な礼儀作法である。料理内容に合わせた食事のマナー、また、どのような料理を召し上がる場合でも、マナーの基本として、相手の立場にたって、いかに美しく振る舞い、楽しく食事ができるかということだ。
そこで、中国と日本の伝統的なテーブルマナーの関係資料を調べてみた。今のところは、まだまとまったようなものが見つかっていない。
日本と中国は一衣帯水の隣国である。同じ東アジアに属するが、テーブルマナーに違うところが多い。その違いはどのようなものになっているか?そして、その違いが生じる原因となるものは何であろうか。
本稿の目的は中日の伝統的なテーブルマナーを比較して、その違いが生じる原因を明らかにしたい。伝統的なテーブルマナーの中の具体的ないくつかの面から分析する。
以下ではまず、中日の伝統的なテーブルマナーの具体的なマナー(食事時の席次、料理が出される順序、箸についてのマナー、食事中のマナー、お酒についてのマナー)を比較する。次にその違いが生じた原因について分析する。
中日の伝統的なテーブルマナーの中で違いが生じる原因は次のようなものである。
中国は秦朝から清朝まで、儒家の文化と思想の影響で単一的な礼法を続いてきた。21世紀の今に至っても、深く影響されている。
日本人はずっと昔から外国のものに憧れ、よさそうなものは積極的に取り入れてきた。伝統的な日本料理の作り方、出し順などは昔ながらの独自のものを持っているが、その他取り入れてきたものは日本化にされ、日本文化の一部分となった。そして、日本独特な住居、衣服、言語などの文化背景も伝統的なテーブルマナーの形成に影響をもたらした。
以上のように、小論は伝統的な中日のテーブルマナーを比較し、その違同の根源について研究してきた。資料調査に欠けているところや本人の能力などから、不十分な点が多くあった。