要 旨:本論文では授受動詞の日中対応の面から、いろいろな例を挙げて、授受動詞の正しい使い方及びそれと日本人の独有の心理意識(内外意識、敬語意識と恩恵意識)とのかかわりについて簡単に説明した。
キーワード:授受動詞;敬語;内外意識;恩恵性
日本語の中に授受にかかわる動詞がいくつかある。その中で「あげる」「やる」「くれる」「もらう」「さしあげる」「くださる」 「いただく」という七つが授受動詞と呼ばれる。日本語の勉強を始めた人が最初に難しいと感じる項目の一つは授受動詞の使い方ではないだろうか。レベルのかなり高い学習者にも、授受動詞の使い方がよくわからない人が少なくないという。本論文中、「あげる」「くれる」「もらう」のそれぞれを「あげる組」「くれる組」「もらう組」といって、これらを例として、授受動詞の正しい使い方及びそれと日本人の独有の心理意識(内外意識、敬語意識と恩恵意識)とのかかわりを明らかにしようとしている。
先行研究
今まで、いろいろな先行研究が行われていた。『日本語の授受関係』についての分析もあるし、『日中授受動詞の対応関係』と『日本人の内外意識と日本語の表現』のようなものもある。そして、授受関係と日本人の恩恵意識との間の関係も明らかになっていく。
本論文中では先人の研究に基づいて、自分の日本語を勉強している間の習得について、皆さんと一緒に検討しようと考えている。