要旨: 『氷点』は日本キリスト教の女性作家三浦綾子の処女作であり、彼女の小説の中でも最も有名な代表作として知られている。この小説は一般の日本文学の中ではあまり見えない信仰緯度を基盤としているため、国内外の学術界において重視されている。三浦綾子は「多産作家」とも呼ばれて、『氷点』は一時期日本で「氷点ブーム」という社会現象を引き起こし、何回もドラマ、映画化された。本文はその三浦綾子の小説『氷点』を研究対象として、まず『氷点』の時代背景、作家の一生、および創作の過程について紹介し、小説『氷点』のあらすじに沿って作品の影響および地位について述べる。次に、主要人物それぞれのイメージを深く分析し、『氷点』の中の人性の暗さ、「原罪」意識、救援意識および日本の「恥」の文化について述べる。最後に、『氷点』の女性文学創作に対する作用、影響および反戦思想の進歩性をさらに理解する。
三浦綾子の文学はすでに生活的で、さりげなく「愛」を述べていて、人性の愛恨を表している。『氷点』もそうであり、「恨から愛へ、氷点から沸点へ」である。
キーワード:三浦綾子;氷点;女性文学;原罪;救援
目次
摘要
要旨
はじめに-4
1 三浦綾子と『氷点』-6
2 『氷点』の登場人物から見られた文化思想-8
2.1 夏枝の自己中心的な原罪-8
2.2 啓造の葛藤と原罪-10
2.3 陽子から見られた「罪意識」および「恥」-11
3 『氷点』の意義と影響-14
3.1 『氷点』と女性文学-14
3.2 『氷点』における反戦思想および進歩性-15
おわりに-17
参考文献-18
謝 辞-19