要 旨:日本語の名詞の格は格助詞で表すのに対し、中国語の名詞の格は介詞や語順で表すのである。日本語の格助詞は様々な用法があり、それぞれの意味を表す。そのうえ、違う格助詞は同じ意味を表すことができる。だから、日本語学習者にとって、格助詞はとりわけ難しい分野と言われている。
今まで、格助詞「に」と「で」に関する研究はよく行われているが、その誤用の原因に対する分析が少ない。従って、本論は先行研究のうえで、格助詞「に」と「で」の誤用状況、及びその誤用の原因に関して、詳しく検討してみる。
今回行われたアンケート調査によると、格助詞「に」と「で」に関して、場所と原因を表す場合に間違えやすく、到着点を表す「に」と手段を表す「で」も、よく間違えてしまうことが明らかになった。
キーワード:「に」 「で」 語義 誤用
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2.先行研究-1
2.1日本における先行研究-1
2.2中国における先行研究-2
3.格助詞「に」の語義分析-3
4.格助詞「で」の語義分析-5
5.格助詞「に」と「で」の誤用分析-6
5.1場所を表す「に」と「で」の誤用-7
5.2原因を表す「に」と「で」の誤用-8
5.3到着点を表す「に」と手段を表す「で」の誤用-9
5.4様態を表す「に」と立場を表す「で」の誤用-9
5.4他の問題について-10
6.終わりに-10
謝 辞-12
付 録-12
参考文献-13