要旨: 安房直子、日本著名の女性児童文学作家である。1962 年に『月夜のオルガ ン』を発表したのをきっかけに児童文学創作の道を歩み始まった。1943 年生 まれ、戦後日本の高度成長期と同時期に創作のピーク期を迎えた。彼女の作品 に生死に関するものが多くあるが、その死は決して暗いイメージではなく、む しろ前向きに生きる勇気を与えてくれる。
安房直子の作品の大半が短編で、本文は二三の名作を取り上げて研究し、作 家自身の死生観を分析する。本文は 3 つの部分からなり、第一部分では安房直 子の生い立ちと作品特徴を紹介する。第二部分では安房直子の死生観の3つの 方面から、小説の内容紹介、作者の死生観の分析を行う。第三部分では安房直 子の死生観の形成原因を、社会と家庭の影響、日本伝統的な死生観の影響、欧 米童話の影響などの 3 つの面から分析する。
安房直子の死生観及びその成因の研究を通じて、日本人の死生観に対する認 識を深めるヒントを得た。生死に境界線がなく、生きることと死ぬことは対立 した両面ではなく、死が別の形の再生と捉えるべきである。安房直子の死生観 を本当に理解できたら、釈然の心境で死に直面し、強い人間として生きようと する気持ちになるはずであろう。
キーワード:安房直子 死生観 童話 自然意識
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1、安房直子と童話-1
1.1-安房直子について-2
1.2 安房直子の作品の特色-2
2、作品における安房直子の死生観-3
2.1「死」と「生」の無限界-3
2.2「死」と「生」の往復-4
2.3 希望の昇華-5
3、安房直子の死生観の形成-6
3.1 社会と家庭の影響-6
3.2 日本伝統死生観の影響-7
3.3 西方童話の響き-8
おわりに-9
参考文献 - 10
謝-辞 -11