要旨:太宰治、戦後日本の無頼派文学の代表的な作家である。彼はお金持ちで下品な家族に生まれていた為、卑賤と自慢の矛盾を感じ、二重の感情の分裂と極端な栄誉感、そして自我欠缺感という、矛盾した性格を持っている。彼は精神上の先行者であり、自分独特な考えと信念を持ちながら、現実に遭う時に、心の中の弱い且つマイナスな面を表していた。
太宰治の作品において、矛盾した両面性も表していた。太宰治の重要な作品を読むと、末期作品の『斜陽』と『人間失格』が、自分の生活と精神世界の真実な再現であることが分かる。テーマも重なっている部分が多く、大体落魄な主人公の絶滅の道を描いた。作品には積極的で美しいものもあれば、主人公が成長して行く過程で茫然と現実に対する惜しい感情についてのものもある。例えば『斜陽』には和子が愛と革命を执着に追求し、道徳革命の実現を求めている。但し、その弟の直治と作家の上原はこの時代の人間の退廃と迷いの典型的な代表である。『人間失格』では大庭葉蔵は真実と理想を持っているが、最後に自己犠牲の信念によって現実社会を逆らい、辛い道を歩むことしかできなかった。
本文は『斜陽』と『人間失格』について研究を行い、作品の両面性を出発点とし、太宰治自身の性格の両面性に合せて、彼が積極から消極へと心が崩して自殺を選んだ必然な原因を分析する。
キーワード:両面性、自己崩壊、必然性、原因
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに.6
1.1太宰治について
1.2「斜陽」と「人間失格」のあらすじ
1.2.1「斜陽」のあらすじ
1.2.2「人間失格」のあらすじ
1.3両面性について
1.3.1太宰治の両面性
1.3.2「斜陽」と「人間失格」の両面性
2.「斜陽」と「人間失格」における積極的な表現9
2.1「斜陽」における和子の反抗意識
2.2「人間失格」における大庭葉蔵の隠された内心
3.「斜陽」と「人間失格」における消極的な表現
3.1「斜陽」における直治と上原の退廃の気持ち10
3.2「人間失格」における大庭葉蔵の「失格」
4.「斜陽」と「人間失格」から太宰治の自己崩壊を見る..11
4.1自己崩壊の原因
4.1.1外在の原因
4.1.2内在の原因
4.2自己崩壊の必然性
5.終わりに13
参考文献..15
謝辞16